
ミヤルスト
📍 基本情報
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所在地:南アフリカ/ステレンボッシュ(Stellenbosch)地域
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創業年:1756年
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オーナー/醸造責任者:ミパーフ家(8代目)/Wim Truter(ウィム・トルーター)
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畑の特徴:海からの冷涼な風と夜霧、花崗岩質の丘、深く水はけの良い土壌
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栽培面積:約110ha
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主要品種:カベルネ・ソーヴィニヨン、カベルネ・フラン、メルロー、ピノ・ノワール、シャルドネ
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旗艦ワイン:Rubicon(ルビコン)
🏰 ストーリー
海の喜び──“Meerlust”のはじまり
1693年、ドイツからの移民ヘーニングは、この地の美しさと立地の将来性に惚れ込み、農場を開きました。
その地を“海の喜び”を意味する「ミヤルスト」と名付け、フォールス湾からわずか5kmの花崗岩が露出した丘のそばに、優雅なマナーハウスを建設しました。
この近さゆえ、夏の盛りにも海から涼やかな風が吹き込み、夕方には海岸からの湿気が程よく葡萄を潤します。こうして理想的な成熟条件を得られる畑は、現在も変わらずワイン造りの核となっています。
250年以上の伝統と景観
1756年、ミパーフ家がこの地を引き継ぎ、以来8代にわたり250年以上、世界レベルの高品質ワインを造り続けています。
ステレンボッシュ市から南へ約15km、国立公園に指定された豊かな自然の中、門を抜け、ヤシとオークの並木道を進むと、白いマナーハウスが出迎えます。
優雅なオランダ様式の邸宅、古くからのワインセラー、伝書鳩の小屋──訪れる者は、いにしえのケープの空気を五感で感じ取ることができます。
畑の進化と品種
建物が250年変わらずそこにある一方で、畑は時代とともに進化を遂げました。
現在、110haの畑ではカベルネ・ソーヴィニヨン、カベルネ・フラン、メルロー、ピノ・ノワール、シャルドネといった高級品種が栽培され、テロワールの個性を映すワインが生み出されています。
ルビコン誕生の物語
ミヤルストの象徴とも言えるフラッグシップ「ルビコン」は、ボルドーの名門シャトー・ラフィット・ロートシルトで経験を積んだオーナーが、南アフリカで本格的なボルドーブレンドを造ろうと決意したことから始まりました。
試行錯誤を重ね、1984年に初ヴィンテージ“ルビコン1980”をリリース。その品質は瞬く間に話題となり、ミヤルストの名声をさらに高めました。
ヴィンテージごとにブレンド比率は変わりますが、カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロー、カベルネ・フランを主体に造られるその味わいは、南アフリカワインの歴史における革新の象徴です。
🍷 店主メモ
「ルビコンは力強さと気品を兼ね備え、熟成によって深みと複雑さを増していきます。
肉料理との相性はもちろん、濃厚なチーズやきのこ料理と合わせても素晴らしいハーモニーを奏でます。
グラスに注ぐたび、この土地の物語が広がるようなワインです。」
📷 ギャラリー
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