マリー・ブーリエとは
マリー・ブーリエはアンリ・ボノーの叔母の名を冠したキュヴェで、1988年ヴィンテージが初リリース。セレスタンがラ・クロー区画の最強の古木から生まれる最上キュヴェであるのに対し、マリー・ブーリエは粘土・石灰岩・砂質土壌の複数区画に由来し、よりエレガントで繊細なスタイルが特徴。
著名評論家ジョン・ギルマンはこのキュヴェを「ボノーのセラーにおいてセレスタンがロマネ・コンティならば、マリー・ブーリエはラ・ターシュ。シャトーヌフ・デュ・パプの魔法の最もクラシックな表現」と評している。セレスタンほど広く知られていないが、その希少性と品質はコレクターの間で高く評価されている。
生産者について
1667年からブドウ栽培を行うボノー家の第12代当主アンリ・ボノーが1956年に初ヴィンテージを手がけ、シャトーヌフ最後の伝統主義者として世界に名を馳せた。2016年の逝去後は長年のチームが同じ哲学を継承。セラーは近代設備とは無縁で、コンクリートタンクでの全房発酵、10年以上経年した古樽・フードル・ドゥミ・ミュイで長期熟成。ボトリングは「準備が整ったとき」のみで、マリー・ブーリエは一般にセレスタンよりも長い熟成期間を経てリリースされる。
2020ヴィンテージ
2020年は南ローヌ全体で凝縮度の高い優れたヴィンテージ。暑く乾燥した夏が果実の熟度を高め、しっかりとした骨格と豊かな果実味を持つワインが生まれた。マリー・ブーリエ2020は、スパイス、ガリーグ、熟したチェリー、革、花のニュアンスが複雑に重なる香り。口当たりはビロードのように滑らかで、エレガントかつ力強い。タンニンは緻密で、酸とのバランスが優れており長い余韻を持つ。
現時点ではまだ発展途上にある。デキャンタージュ2〜3時間を推奨。今後10〜20年の熟成でさらに複雑味が増すポテンシャルを秘めている。
ワイン詳細
|
生産地 |
フランス / ローヌ渓谷 / シャトーヌフ・デュ・パプ |
|
原産地呼称 |
AOC Châteauneuf-du-Pape |
|
ぶどう品種 |
グルナッシュ約90%、ムールヴェードル、シラー、クネーズ、ヴァカレーズ |
|
テロワール |
粘土・石灰岩・砂質土壌(複数区画) |
|
醸造 |
全房発酵(コンクリートタンク)、古樽(フードル・ドゥミ・ミュイ)で長期熟成 |
|
味わい |
赤ワイン・辛口・フルボディ |
|
飲み頃 |
2027〜2040年以降(デキャンタージュ推奨) |
ペアリング
仔羊のロースト、鴨のマグレ、ジビエ料理(鹿・猪)、牛フィレのポワレ、熟成チーズ。ガリーグやハーブを使ったプロヴァンス風の肉料理とも好相性。セレスタンよりもやや優雅なスタイルのため、繊細な調理法の肉料理とも合わせやすい。
参考情報
※ マリー・ブーリエ2020の国際評論家スコアは現時点で非公開(Wine-Searcher等未掲載)。ただし2020年はボノーのベストヴィンテージの一つとされており、高い評価が期待される。
※ 参考:マリー・ブーリエ2018はVinous Nicholas Greinacher 93+点、Jeb Dunnuck 93点を獲得。
※ 年間生産量は極めて少なく、全ヴィンテージで生産されるとは限らない希少キュヴェ。