ナパ・ヴァレーを代表するカルト・ワイナリー、アミューズ・ブーシュ。その名は「口を楽しませるもの」を意味するフランス語で、ワインとアートの融合というコンセプトのもと、ワインメーカーのハイディ・バレットとヴィントナーのジョン・シュワルツが2002年に設立しました。
ハイディ・バレットは、ナパ・ヴァレーのワイン一家に生まれ、科学者の父と芸術家の母という環境のなかで育ちました。スクリーミング・イーグルでの15年間(1992〜2006年)、ダラ・ヴァレ・ヴィンヤーズでの9年間(1988〜1996年)など、ナパを代表するカルト・ワインを手がけてきたことで、TIMEマガジンから「ナパの女神(The Wine Diva of Napa)」と称されるワインメーカーです。
ワインの源となるブドウは、ナパ・ヴァレー東部、ラザフォード丘陵の秘密の畑から生まれます。「どこに畑があるのか」とワイン・スペクテーターのジム・ローブ氏に問われたハイディは、「教えたら命はないわ!」と笑いながら答えたという逸話が残るほど、その場所は今も明かされていません。ヴァカ山脈の麓に位置するこの畑は、粘土と火山性土壌が混在する特異なテロワールで、コン・クリークの影響を受けながら、エレガントかつ厚みのあるメルロを育みます。
アミューズ・ブーシュのもう一つの特徴が、毎ヴィンテージごとに異なるアーティストの作品をラベルに採用する点です。ワインと同様にコレクタブルなアートとして設計されており、2016年ヴィンテージのラベルにはハイディ・バレット自身が描いた「秘密の畑(A Secret Vineyard)」が採用されました。ラベルのリトグラフはパリのアトリエで19世紀のプレスを用いて刷られ、ハイディ本人によるサインとナンバリングが施されています。
2016年ヴィンテージは生産者いわく「ナパ最高のヴィンテージのひとつ」と言及される年であり、メルロ88%、カベルネ・フラン12%のポムロール・スタイルのブレンドで、750ケースのみ生産。ワイン・アドヴォケイトからは95+ポイントを獲得しました。