ステレンボッシュとバンフックを結ぶヘルスホーグテ峠の中腹、バンフーク渓谷に位置するゾルフリートは、1692年にまで遡る歴史を持つ農場です。「ゾルフリート(Zorgvliet)」とはオランダ語で「憂いなき場所」「安らぎの地」を意味し、その名の通り、シモンスベルク山とクライン・ドラーケンシュタイン山の谷間に広がる緑豊かな葡萄畑が訪れる者を迎えます。2002年、実業家マック・ファン・デル・メルウェがオークションでこの農場を取得。火災で損傷したケープ・ダッチ様式の荘園を修復し、荒廃していた葡萄畑を再生しました。現在は息子のステファン・ファン・デル・メルウェが経営を引き継ぎ、家族経営のワイナリーとして発展を続けています。2013年よりワインメーカーを務めるベルナール・ル・ルーのもと、ボルドー品種を中心とした高品質ワインの生産に注力。南アフリカの持続可能なワイン生産認証制度(IPW)の認定も取得し、環境に配慮した栽培を実践しています。
シルバー・マイン(Silver Myn)とは、かつてバンフーク一帯で行われていた銀の採掘に由来するレンジ名です。「アルジェンタム(Argentum)」はラテン語で「銀」を意味し、上位レンジのゾルフリートとその下に位置するこのシルバー・マイン・レンジは、品種の個性と産地の特性を日常的な価格帯で表現することを目指しています。
畑は標高260m、海岸線から約10kmの地点に東向き・南北向きの畑列が広がり、沖積土壌(アルビアルソイル)でぶどうを栽培。2022年ヴィンテージは春先(10月・11月末)の大雨が開花とヴェレゾン(着色期)の均一性に影響しましたが、その後12月から3月にかけては涼しく乾燥した良好なコンディションが続き、理想的な収穫を迎えることができました。ぶどうは手摘みで収穫後、果粒ごとに選別してステンレスタンクに投入。自然酵母による自発的な発酵をスタートし、選抜酵母で発酵を完了。パンチダウン、ラック・アンド・リターン、ポンプ・オーバーを組み合わせた抽出を行い、プレス後は直ちに4,600Lのオーク・フードルに移してマロラクティック発酵を完了。12ヵ月の熟成を経てブレンドされます。
グラスに注ぐと、プラムとシナモン・スパイスが心地よく香り立ちます。口に含めば、ブラックチェリーとマルベリーの果実味にスパイスのニュアンスが重なり、よく溶け込んだしっかりとしたタンニン構造が余韻を引き締める、果実味豊かでシルキーな1本です。