ドメーヌ・アラン・グライヨはタン・レルミタージュから南へ数キロ離れたクローズ・エルミタージュのアペラ シオン地域であるポン・ド・リゼール村に位置する。
20ha の面積があり、醸造所、熟成所は畑のレ・シェーヌ・ヴェール(緑の樫ノ樹)と呼ばれる場所にあ る。
土壌は砂、僅かの土、水分の通過をよくする丸砂利が多くまざったローヌとリゼールの沖積土。
2.7ha で比較的若い(樹齢 20 年)白ワイン用ブドウ(80%がマルサンヌ、20%がルーサンヌ)が栽培され ており、17.3ha で樹齢 10 年から 50 年の赤ワイン用のブドウ、シラーが栽培されている。 伝統的な栽培法を用いているが収穫量を抑え、短めに剪定し、肥料は少なめにしている。 除草剤は使用しない。根が地中深く張るよう、鋤で耕作する。
手摘みによる収穫。通常、果梗を残す。 長めの低温マセラシオンを行い(ブドウは仕込み時に直ちに冷却される)、赤ワインの発行期間は長い (15~21 日間)。 温度管理を行いながら、ルモンタージュが繰り返される。マロラクティック発酵が終了すると、225 リット ル容量の樽に移しかえる。
新樽比率は低く(10%)、1 年使用した樽をブルゴーニュで購入し、2~3 年使用する。
1 年間の熟成期間の後、大容量で熟成させた同種のワインとブレンドするが、割合はヴィンテージによ り変わる。通常、清澄作業なしで瓶詰めする。年によりごく軽くろ過作業を行うこともある。
白ワインは低温でデブルバージュし、3 分の 1 をステンレスタンクで長期間かけて低温発酵(18°C)させ る。残り 3 分の 2 は樽で発酵させる(新樽 20%、残りは 1~5 年試用した樽)。タンクで発酵させたもの はタンクで熟成させ、樽で発酵させたものは規則的にバトナージュを行いながら樽で熟成させ、春にブ レンドを行う。通常マロラクティック発酵は行われない。
また、トゥーノンの北 20km に位置するアンダンス村の斜面にある小作地で栽培されるサン・ジョゼフの 赤も少量ながら生産している。手摘みで収穫を行う。除梗を行うが、醸造と熟成はクローズ・エルミター ジュの赤と同様である。