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フォントディ フラッチャネッロ デッラ ピエヴェ 2016

このショップでは酒類を取り扱っています。20歳未満の者の飲酒は法律で禁止されています。

フォントディは、トスカーナ州キアンティ・クラッシコ地区の中心部にあるパンツァーノの街の南側に位置しています。「コンカドーロ(金の貝殻)」と呼ばれる円形劇場の形をした盆地が広がるこの地は、暖かく乾燥したミクロクリマのお陰で、伝統的な高級ワイン産地として何世紀にも渡り名声を馳せてきました。葡萄畑は、130ヘクタールにわたり有機栽培認定を受けており、その内70ヘクタールが葡萄栽培に使用されています。化学肥料や農薬を使用せず、極力余分な干渉を加える必要がないよう、土地本来の力を最大限に生かした葡萄栽培を行っています。

トスカーナのワインの歴史は古く14世紀に溯りますが、1960年代までは大量生産される質の悪いワインが公然と出回っていました。当時、多くの生産者は、輸出市場の隙間である安売りジャグ・ワインの市場を目指しており、葡萄農家も収穫に関しては質よりも量を重視し、葡萄樹を機械での収穫に適した水はけの悪い平らな土地に植えていました。キアンティのワイン醸造の未来に暗雲が立ち込めていた1968年、ドミジアーノとディノ・マネッティ兄弟は、このパンツァーノの地でワイン用の葡萄畑の購入を決め、89ヘクタールの土地を購入しました。購入した当時、畑は荒れ果てていましたが、西向きの急斜面で最高の気候条件が揃っていました。

マネッティ兄弟は多額の資金を投じて葡萄樹を植え替え、設備の近代化を含む様々な面でフォントディを改革し、やがてトスカーナにおけるワイン作りの最先端を行くようになりました。トスカーナのワイン作りが大きく変化してゆく中で試行錯誤を繰り返し、ついに、国際的なカルト市場で大好評を博したスーパータスカン、フラッチャネッロで大成功を納めました。現在フォントディは、初代オーナーの親族で従兄弟同士のマルコとジョヴァンニが共同運営し、サンジョヴェーゼのスペシャリストである著名な醸造家フランコ・ベルナベイの指導を受けています。

■栽培・醸造■有機栽培。土壌:主にアルベレーゼ(石灰岩)、ガレストロ(粘土を含む片岩)。アルベレーゼは、ワインに生き生きとした酸をもたらし、ガレストロは凝縮感のある豊かな味わいをもたらします。手摘みで収穫。選果は2回行い、健全で上質なブドウのみ使用。重力を利用して果実やワインを移動。自然酵母を使用。アンフォラ(マネッティ社製)、ステンレスタンク、フレンチオーク樽、コンクリートタンク等で醸造。

*マネッティ家は長年に渡り、アンフォラの製造も行っており、醸造には自社製のアンフォラを使用しています。

≪ヴィノス2022年6月掲載記事より抜粋/記者:アントニオ・ガローニ≫フラッグシップワインである2019年のヴィーニャ・デル・ソルボとフラッチャネッロは、最良年には及ばないものの素晴らしい出来栄えだ。キアンティ・クラッシコ(常にスーパー・キアンティ・クラッシコ的な存在)は傑出している。小樽での熟成期間を短くし、仕上げにキャスクで熟成させ、全体的にフレッシュ感を引き出すことが近年のフォントディのスタイルを作る上で重要な鍵となっている。

■2016ヴィンテージ情報■2016年は、トスカーナ全体で15~20%の収量減となったが、2015年と同等のクオリティでスタイルに違いのある年となった。例年よりも冷涼湿潤な気候が6月末まで続いたため、昨年よりもブドウの果皮が薄くしなやかになり、ストラクチャーは2015年の方が勝るものの、より香り豊かで深みのある色合いのワインに仕上がった。キアンティ・クラッシコに関して言えば特にクオリティの高いヴィンテージ。

 

■ワイン・アドヴォケイト誌239号 2018年11月1日掲載記事より■

ここ数カ月のキャンティ・クラッシコにまつわるビッグニュースと言えば、フォントディのジョヴァンニ・マネッティがキャンティ・クラッシコのコンソルツィオ(協会)の新会長に選出されたことだ。ジョヴァンニの先代を務めた前会長セルジオ・ツィンガレッリは、2度の任期の間にキャンティ・クレッシコ・グラン・セレツィオーネという新たなカテゴリーの導入などで大いに成功を収めた。この人事交代は、非常に喜ばしいもので、ジョヴァンニ・マネッティの紳士的で協調的な人柄は、この生産者協同組合の長年にわたる論争と内部争いの一端に内省の機会と結束をもたらすだろう。マネッティが会長を務める任期中は、少なくとも平穏で安定した運営が期待できる。

その一方で、我々がこの新会長に期待できる最大限の功績は、筆者が以前から主張してきたように、この偉大なアペラシオンのサブ地域の規定と区画分けについて生産者たちの声がより強く反映されることにある。ジョヴァンニ・マネッティとフォントディは、ワインの品質においてトスカーナのキャンティ・クラシッコ地区の頂点を極めている。ジョヴァンニ・マネッティがこの産地を取り仕切る象徴的な幹部職に就任したことによって、我々の羨望と称賛を集めて止まないこのアペラシオンの威信と名声は、更なる高みへと引き上げられるに違いない。