ドメーヌ・カミーユ・ティリエについて
「自分の庭のように、畑を大切に」——カミーユ・ティリエのワイン哲学はそのひと言に凝縮される。パリ出身のカミーユは子供の頃、香水師を夢見ていた。「香りを識別する芸術」に惹かれ、やがてワインという別の芳香の世界に引き込まれていく。2008年にボーヌの醸造学校で学んだ後、ニコラ・ポテルのドメーヌ・ド・ベレーヌでの営業・マーケティングを経て、2016年にカナダ人醸造家のパートナー、マット・チティックとともに電気も水道もない20平方メートルのガレージでファーストヴィンテージを仕込んだ。このスタートアップの物語を支えたのは、DRC(ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティ)の元醸造長ベルナール・ノブレとデュジャックのジェレミー・セイスという、ブルゴーニュ界の重鎮たちの友情と助言だ。2022年にコルゴロワンで4.5ヘクタールを購入し、現在は計6ヘクタールを擁する。全農法をオーガニックに転換し、馬(オベリックスとヴェガ)で耕起。すべての作業を手作業で行い、ブドウ栽培から収穫・圧搾・瓶詰め・ラベル貼りまで、徹底した少量手仕事にこだわる。「ガレージワインの精神」を創業から一度も手放していない、ブルゴーニュの真の新星だ。
ブルゴーニュ・アリゴテ「ル・ジャルダン・ブラン」2024について
「ル・ジャルダン・ブラン(Le Jardin Blanc)」、白い庭。「この畑は私の庭のようなもの」とカミーユ自身が語るキュヴェだ。原料はポマール産、樹齢80〜90年の自社畑(0.1ha、アリゴテ・ドレとも呼ばれるピンク色がかった希少なクローン)と、ムルソー産の樹齢100年の契約畑(0.5ha)のブレンド。ポマール区画のぶどう一部にはマセラシオン(果皮浸漬)を施し、テクスチャーと長い余韻を保持している。
アリゴテという品種はシャルドネの陰に隠れがちだが、樹齢100年のオールドヴァインとカミーユのハンドクラフト醸造が組み合わさることで、品種の概念を覆す奥行きと複雑さを持つ白ワインが誕生する。白い花とナッツの香り、シトラス・白い果実、ヨード感のあるミネラル。酸と苦みの絶妙なバランスが持続する長い余韻。アペリティフから食中酒まで幅広く楽しめる、アリゴテの新たな可能性を示す1本。