シャンパーニュ・ボランジェについて
1829年、アンリ・ボランジェがフランス・シャンパーニュのアイ村に設立。以来約200年、「品質への誠実さ」を家是に掲げ、大手メゾンとしては今なお家族経営を維持する稀有な存在だ。ボランジェのスタイルを規定するのはピノ・ノワール、自社畑、木樽醗酵、そして時間だ。グランド・クリュとプルミエ・クリュを中心に160ヘクタールを超える自社畑が全使用果実の約70%を賄い、ヴァン・ド・レゼルブはすべて天然コルク栓のマグナムボトルで区画別・年別に保存する——これを実践するメゾンは他にない。
現セラーマスターはドゥニ・ビュネー。
ラ・コート・オー・ザンファン シャンパーニュ 2013について
「ラ・コート・オー・ザンファン」はボランジェ初の単一区画キュヴェ。アイ村のグラン・クリュ指定のリュー・ディ「ラ・コート・オー・ザンファン」4ヘクタールを100%使用する。この区画はかつて50名以上の所有者に分散していたが、1926年から1934年にかけてジャック・ボランジェが一枚一枚丁寧に買い集め、今日のボランジェが単独で所有する。「シャンパーニュのロマネ・コンティ」と呼ばれるほど崇高な評価を持つ区画で、2009年からオーガニック農法に転換。畑にはボランジェが守り続けるプロヴィニャージュ(枝を土に伏せて発根・新株化する伝統的繁殖法)も行われており、フィロキセラ以前に近い農業文化が生きている。
キュヴェはピノ・ノワール100%のグラン・クリュ。醸造はまずブルゴーニュ方式で仕込まれ、スティルワインとして静かに発酵・熟成。その後シャンパーニュ製法(瓶内二次発酵)に移行し、アペラシオンの規定の2倍に相当する長期シュール・リーを経てリリース。ドサージュはわずか4g/lのエクストラ・ブリュットに仕上げ、コルク栓で封をして熟成させる。
2013年のシャンパーニュは雨の多い春と開花遅延に始まったが、7月〜8月にシャンパーニュ史上最長の日照記録を達成。特にアイ・グラン・クリュでは完熟した高品質な果実が実現したヴィンテージ。黄金色に輝く外観。メントール、熟した果実、アカシアのはちみつ、シトラスのアロマ。生き生きとした複雑なパレットに、レモン、カレースパイス、バター、コンフィの赤系果実が重なり、フレッシュな酸が長い余韻を支える。