00ワインズ(ダブル・ゼロ・ワインズ)について
「00」という名に込められた意味は二重だ。ひとつは、ぶどうがなる木のそばから瓶詰めまでの時間的・空間的な「ゼロ距離」への追求。もうひとつは、ワイン造りの循環する自然と終わりなき探求を象徴する「二つの無限の円」。クリス・ヘルマンとキャサリン・ヘルマン夫妻が2015年に設立した00ワインズは、設立からわずか数年でオレゴン州ウィラメット・ヴァレーを代表するシャルドネの造り手として世界的な評価を確立した。
クリスはオレゴン州立大学で植物遺伝学を教えた父親とともに幼少期からウィラメット・ヴァレーのパイオニアたちを訪ね、40年以上にわたってワイン弁護士として地域のテロワールと畑を知り尽くした人物。偉大なシャルドネへの執念を持ちつつも、オレゴン産果実をブルゴーニュ最高峰のテクスチャーと熟成力で表現する方法を模索し続けた。その答えが「ブラック・シャルドネ」技法だ。コシュ・デュリやルーロらブルゴーニュの巨人たちが実践する古来の手法を2015年にオレゴンで復活させ、2017年の初リリース以来、アメリカの新世代ワインメーカーたちに白ワイン醸造への向き合い方を根本的に再考させた。醸造コンサルタントにはドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティやデュジャックを顧問先に持つブルゴーニュ人ピエール・ミルマンを起用。デカンターは「コシュ・デュリを彷彿とさせる」と評し、VGWは「世界最高の白ワインが並ぶ棚に加わるに値する」存在として認識されている。
VGW ヴェリー・グッド・ホワイト 2023について
VGWはウィラメット・ヴァレー各地の歴史ある畑(イオラ・アミティ・ヒルズを中心に計4区画)からのシャルドネを、ディジョン・クローン3種とメンドーサ・クローンでブレンドするフラッグシップ。醸造の核心は「ブラック・シャルドネ」技法で、全房を足踏みして一晩スキン・コンタクト。酸素にさらされたジュースは黒褐色に変色するが、発酵を経ると色素は沈降し、驚くほどの深みとテクスチャー、そして瓶内安定性が生まれる。その後12ヶ月の樽熟成(シュール・リー)、さらに6ヶ月ステンレスタンクでのシュール・リーを経てリリース。
2023年ヴィンテージのVGWは、注いだ瞬間から際立つハーバルなアロマで幕を開ける。クロロフィル、フレッシュミント、ストーンダスト、フリント、クラッシュドグラニースミスが鮮烈に重なり合う。パレットはリッチでありながらブライトで、豊かなレモンシトラス、洋梨、熟した芯のあるフルーツ感が続き、クリーミーなテクスチャーと塩気を帯びたミネラルが長い余韻を形成する。ジェームス・サックリングは「フリンティでゼスティ、燻煙とフレグランス。塩気があり、クラッシュドストーンとフリントが圧倒的。ミディアムボディで躍動的、かつクリーミー」と評した。