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カーゼ・バッセ ソルデラ2020

カーゼ・バッセ ソルデラ2020
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1937年、ヴェネト州トレヴィーゾに生まれ、幼少期よりミラノで育ったジャンフランコ・ソルデラは、1960年代初頭にイタリア初の保険仲介会社のひとつを立ち上げた実業家でした。代々ワインと土地を愛する家系に生まれた彼は、2003年まで保険業を続けながらも、いつかは「世界最高のワイン」を生み出す農地を持ちたいという夢を長年抱き続けていました。バローロのための土地をピエモンテで探し続け、ついに望む場所が見つからなかったとき、1972年6月、彼と妻グラツィエッラはトスカーナのモンタルチーノの南西に位置するカーゼ・バッセを発見します。標高320メートル、始新世起源の丘陵地帯。荒廃したまま放置されていたその23ヘクタールの農地に、ジャンフランコは感覚的な確信を覚えました——「これが求めていた土地だ」と。2ヶ月後に購入し、同年秋から1973年にかけてサンジョヴェーゼを植栽。1975年の初収穫は、家族の期待をはるかに超える品質でした。

ジャンフランコ・ソルデラは「ワインは畑で作られる」という信念を貫いた人物でした。醸造への介入を最小限に抑え、除草剤や農薬を一切使用せず、全ての農作業を手作業で行います。収穫は一粒一粒の手選別。木製タンクで温度管理なしのまま自然酵母による発酵を行い、スラヴォニア産の大樽(バリック不使用)で最大6年間熟成させます。「バリックは、ブドウ自体からタンニンやアロマを十分に引き出せなかった欠陥ワインのためのものだ」という言葉は有名です。エステート全体は、妻グラツィエッラが植えた1,500種以上の古代バラ、何百もの巣箱と蜂の巣、多様な野生動物が共存する生態系の宝庫です。蔓延するフィロキセラやカビなどの病害虫を、化学製品ではなく生態系の中の捕食関係で抑制するというアプローチは、その後ビオディナミと呼ばれるようになるコンセプトの先駆けでした。醸造コンサルタントとしてサンジョヴェーゼの権威ジュリオ・ガンベッリ(1976年〜2012年逝去まで長年にわたり協力)を招き、1982年に初めてブルネッロを市場に出すと、たちまち世界中のコレクターの注目を集めます。

しかし2012年12月2日の夜、ワイン史上最も衝撃的な出来事が起きます。解雇した元従業員アンドレア・ディ・ジジが深夜に忍び込み、樽の栓を開け放ちました。2007年から2012年の6ヴィンテージにわたる6万2,600リットルのブルネッロがセラーの床に流れ出し、一夜にして消えました。その量は換算すれば最大84,000本分。ディ・ジジは逮捕され、4年の実刑判決を受けます。コンソルツィオ(生産者組合)は「連帯のワイン」として他生産者のワインを提供しましたが、ソルデラは「消費者への詐欺であり許しがたい」と一蹴し、自らコンソルツィオを脱退。以来、ワインはブルネッロ・ディ・モンタルチーノDOCGとしてではなく「トスカーナIGT」として出荷されることになります。しかしその逆説として、希少性はさらに高まり、価格は飛躍的に上昇しました。

2019年2月16日、ソルデラは自らの畑のそばを車で走行中に心臓発作を起こし、82歳でその生涯を閉じました。現在はグラツィエッラ、そして子供たちのモニカとパオロ、マウロとヴァレリアが創業者の原則を忠実に受け継ぎ、カーゼ・バッセを運営しています。

2020年ヴィンテージは、65ヘクトリットルの大樽から試飲した評論家モニカ・ラーナーがこう評しています。「この段階ではジューシーで豊かな果実感を持ちながら、ミネラルのニュアンスを徐々に現し始めている。ダークブラックベリー、グラファイト、ヴァイオレット。ミディアムからフルボディで、ビロードのような質感と、熟れた洗練されたタンニン。ミッドパレットに充実した肉付き、シームレスな骨格。瓶詰め前の段階でもすでに高い完成度を示しており、長い熟成ポテンシャルが期待される」(Wine Advocate)。